※ちょいグロ注意!
―Benvenuto a questa notturna festa di follia.
Cominciamo il gioco delle grandi occasioni.
「ようこそようこそようこそ!招待状をお持ちですね?
えぇえぇ、確かにファウスト卿の招待状です。ではこちらにどうぞ…」
シックな大きい門に広いバラの庭園。その隅には小さなカトリック系の教会と洒落た倉庫。
もちろん、一番目立つのはレンガ造りの豪邸だ。
どれもこれも上品な黒色に瑞々しい緑や赤、センスの良い茶色と色とりどりで美しいのだが、生憎時間は夜中の2時を回ろうとしているので本当の美しさなど見えない。
まだ月明かりでも差していれば違った美しさが見えたのだろうがこれもやはり曇っているためその形すらあやふやに見えた。
その暗闇の中に立っていたのが先ほどの案内役だが、黒いスーツに黒い髪、黒い帽子と全てが黒かったので
初めはそこに居るか居ないのか分からなかった。
黒い案内役は名簿らしきものを取り出すと招待状の名前と照らし合わせた。
「ソフィア様ですね?ご心配なく。席はちゃーんとございます。
あぁ、そうだ!申し遅れました。私、マシト、と申します。宜しくお願い致します。
では、こちらの席にお掛け下さい。もうすぐファウスト卿がいらっしゃると思いますよ」
そこには大きな机を囲んで、すでに数十名の老若男女が厳かな空気の中で座していた。
「え、・・・っと、その、私、ファウスト卿の事、全く知らないんですが・・・どんな方なんですか?」
ソフィアと呼ばれた娘はおどおどとマシトに尋ねた。
「おや、なるほどなるほど。いやはやファウスト卿は全くもって趣味がよろしい!
えぇ、とても気さくな方でございますよ。気前もよろしいですし、きっとソフィア様も気にいることでしょう」
「あの、何で私が呼ばれたんですか・・・?それもこんな時間に夜会なんて・・・なんだか怖いです」
マシトは長いまつげをパサパサとさせてからにっこりと笑った。
「大丈夫。少し照明が暗いから不安なんですね。
…そうですね、そろそろファウスト卿がお見えになる時間です。
そこでファウスト卿が直々に御説明なさりますよ。しばし、お待ちください」
そう言って一礼してマシトが立ち去ると、一人の男が入ってきた。
黒くて長い髪に、黒いマントをしている。年齢はおよそ25前後だろうか。
その堂々たる姿に、ソフィアも含め来客全員が一目でその男がファウスト卿であると悟った。
男は迷わず上座にどかっと座り、頬杖をついて来客を眺めた。
ぼーん。ぼーん。
と2時の鐘が鳴り響いた。
するとファウスト卿は ばんっ! と机を叩いて立ちあがった。
「よく集まってくれた。私の事を知った顔も知らない顔もいるようだが、まず自己紹介をしよう。私がこの館の主、ファウストだ。
さて、集まってもらったのは他でもない。我々とゲームをしてもらうためだ」
3人の召使が真紅のワインを配る中、ざわっと一同がざわめきだした。
どうやら一部以外、夜会の内容を知らされていないらしい。
「私がこの国から選び抜いた30名が今、ここに集まった。
さぁ、まずは乾杯をしようではないか!
今配られたワインを手に持て!この素晴らしい機会に乾杯!!」
ファウスト卿はワインのグラスを高く掲げ、全員にワインを飲むように言った。
つられてワインを飲むものが半数、わけが分からず呆然とするものが半数。そして、
「きゃあぁあぁぁあぁ!!!」
一人の娘が叫んだ。そして次に一人の男性が「うわぁあぁぁ!!」と叫ぶ。
そして、それに感染するかのように次々と悲鳴が上がった。
悲鳴の横では大量に血を吐いて倒れる人間。
ファウスト卿はというと、嗤いながら自分のワインを床に垂れ流して、最後にグラスを落として割った。
一人の老紳士が「これはどういうことかね!?ファウスト卿!」と怒鳴る。
「安心してくれ、毒を入れたのは30のグラスに15だけだ。2分の1の可能性で生き残る。これはゲームだ!最後まで生き残った者には巨万の富を与えよう!
命を賭けるには丁度いい対価だろう!?」
ファウスト卿は嘲る様に嗤っている。
「ちなみに!ここに出席した時点で途中退席は一切認めない!
さぁ、ここでワインを飲まない者は3人の召使に殺されるぞ!?
アハハハハハハハハ!!」
一人の婦人はファウスト卿に泣きついた。
「ファウスト卿!どうかご慈悲を・・・!
私には先日生まれた子供が居ります故、死ぬわけにはいかないのです!
どうか、どうかご慈悲を・・・!」
「アッハハハハハ!!あなたは救いようのない人だ!!
今の言葉を聞いて『慈悲を』だと?全くもってお笑いだ!!
マシト!お前にこれをやろう!!存分に楽しめよ!?」
ファウスト卿は足にしがみつく婦人を蹴飛ばした。
そこに剣を腰に下げたマシトがゆっくりとやってくる。
「ひぃぃ!!」と声をあげて怯える婦人の片腕をマシトは一気に切り落とした。
上がる悲鳴。噴き出す血。狂った笑い声!
来客はパニックに陥る。
外に逃げようとすると一人の召使が足を切り落とす。
ファウスト卿に掴み掛ろうとすると一人の召使が腕を切り落とす。
館に満ちるのはひたすらの
悲鳴!泣き声!笑い声!
ソフィアは頭を抱えて大きく泣き叫んだ。
途端に止まったのはファウスト卿の笑い声だった。
ファウスト卿は机に乗り、ソフィアの元へ走ってきた。
震えるソフィアの顎をつかんで顔を上げさせると、
ファウスト卿は一言、言った。
― Che blle le tue grida!
あとがき
お題は【歌詞引用】です。
引用させていただいた神曲は
唄:志方あきこさん 作曲:ラック眼力さん の
”金色の嘲笑〜麗しの晩餐〜”
です。
うみねこのなく頃にのゲーム中の音楽なのかな?たぶん。
志方さんはただの神だ。笑い声とかツボ過ぎる!
あ、使った場所はイタリア語の所全てです。
曲が曲なのでどうもうみねこっぽくなったorz
あとライアーゲームっぽいww
訳)
Benvenuto a questa notturna festa di follia.
Cominciamo il gioco delle grandi occasioni.
(この狂気の夜会のへようこそ
この素晴らしい機会にゲームを始めよう)
Che blle le tue grida!
(あなたの悲鳴はなんと美しいのだろう!)