箱庭 − アレクシスの青いリボン−3
庭園には実に様々な人が居た。ピンからキリまで。それが入ってすぐの僕の庭園に対するイメージだった。
例えば大柄のヴェルノ。彼は誰より優しく、包容力のある人だ。
世話好きで、皆の保護者のような存在として親しまれている。
特にヴェルノはエルバートをいつも護っているように見える。
エルバートは少々頭が弱く、精神が周りより一回りも二回りも幼い子だ。
エルバートはヴェルノに会うまでからかいの対象にされていて、それを助けたヴェルノによく懐いているのだ。
今ではヴェルノとエルバートは、まるで親子のようで皆を和ませている。
僕はこの二人が好きだ。
それに対してコナーは僕が苦手とする人物だ。
コナーは一言でいえば不良だ。タバコだって吸うし、酒も飲む。女の子ともたくさん遊ぶ。
なにより僕が気に入らないのは、寮生でないことだ。
寮生でない人物が皆嫌いなわけではない。
どういうことかと言うと、コナーは通学をしていない。彼は家に帰ろうとしないのだ。
たいていは寮生の友達の部屋や家が近い友達の所に泊まる。どうやら父親との関係が悪いらしいのだが、僕から見ればただのわがままだ。
僕だって決して父との仲が良いわけではない。僕が家族の中で愛しているのはシモーヌ唯一人だから。
もちろん、コナーの場合は僕なんかよりも程度が重いのだろう。かといって僕はコナーに納得はできなかった。
皆が憧れる通学を何とも思っていないような態度が嫌いなのだ。
そんな僕の心情を知ってか、コナーはやけに僕につっかかってくるから、なおのこと僕を苛立たせる。
そんな悪循環で僕とコナーの関係は成り立っているからいけない。
さらに、僕とコナーは初等部一年から今の中等部二年までの間、ずっとコナーと同じクラスだ。
これには庭園のクラス替えのシステムが三年に一度であることが災いしており、また、各学年にクラスは二つしかないのでかなりの確率で同じクラスになるのだ。
最後のクラス替えでは離れられるよう願ってはいるが、実に難しい問題だ。
僕の周りをいつも騒がせているのはこんな人達で、色んな意味でピンからキリまでいるように思う。
まぁ、それなりに学園生活を謳歌しているんじゃないだろうか。
寮はマルヴィンと同じ部屋だし、寮内にはヴェルノとエルバート、たまにコナーもいる。
週に一度シモーヌに手紙を出し、近況報告をする。シモーヌからの返事で彼女の近況を知る。
シモーヌに会いに行けないことを除けば、充実した毎日と言えるだろう。